ハーゲンダッツ ジャパンのブランドを守り続けるオフィスと働き方

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ハーゲンダッツ ジャパン株式会社
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ハーゲンダッツ ジャパン株式会社

世界中で愛されるアイスクリームの代表ブランドと言っても過言ではない、『ハーゲンダッツ』。1961年にアメリカで生まれ、現在世界50か国以上で長年に渡り多くの人々に愛され続けている。
日本法人である 『ハーゲンダッツ ジャパン株式会社』 は1984年に創業し、今年設立30周年を迎えた。ハーゲンダッツの創始者、ルーベン・マタスのモットーは「完璧を目指す――Dedicated to Perfection」ということ。その、「究極のアイスクリームを作る」という信念によって、『ハーゲンダッツ』は世界中のファンを魅了し続けている。今回、そんな「究極のアイスクリーム」を生み出し続ける日本法人を訪ね、今までほとんど公開していないという同社のオフィス取材を試みることができた。伝統とブランドを守り続け、数々の新たな商品を生み出す、同社の要とも言えるオフィス環境への取り組みを経営企画室 部長 染矢 和弘氏より伺った。

なぜオフィス環境へ投資したのか

2014年6月、ハーゲンダッツ ジャパンのオフィスがリニューアルした。本社は中目黒駅前にある中目黒GTタワー内にオフィスを構えている。今回のリニューアルのきっかけと、その経緯とはどのようなものだったのだろうか。

染矢氏:2014年度が弊社の設立30周年ということで、その記念として何かやろうということになりました。まずは30周年記念商品を出すということと、何よりも弊社は「コーポレートブランド=商品ブランド」ですので、改めて社員一人一人にブランドを感じてもらい、社内コミュニケーションをこれまで以上に活発化させようということでスタートしました。以前のオフィスは、パッと見た印象はブランドを感じさせるような空間ではなかったので。何か不具合、不都合があったというわけではなく、「会社にいる環境を変えていこう」という方針のもとにリニューアルを行いました。社員からの要望を聞いて、説明会を設けたりしましたね。社員にブランドをどう感じてもらえばいいか、何をしようかということでパーティーの企画なども出たのですが、やはり普段仕事をする執務スペースや会議室などで「ハーゲンダッツらしさ」を改めて感じてもらうようにしよう、ということになりました。

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オフィス環境変革後の社内外の変化や反響

「自社のブランディング強化」 「コミュニケーション活性化」 「働きやすい環境作り」を方針に掲げてオフィス環境変革に取り組んだ同社。その後の社内外の反響について伺った。

染矢氏:リニューアルが終わった後、部署別にアンケート調査をして、3日間ほどかけて社員にフィードバックをしました。社員評価は比較的いいですね。社員から出た改善点などはデータとして取っておいて、次に活かそうと考えています。変えてみてわかったことが結構あったので、変えられるところは早急に変えました。たとえば・・・接客ブースと社内会議用スペースが近く、意外と声が聞こえてしまう。新商品の話なども結構しているので、これはまずいということで早めに対処しました。あとは日常の細かいところですけれど、ごみ箱の並びだとか、スペース的に少し窮屈だったりとか。執務スペースをワンフロアにしたことで、社内コミュニケーションは取りやすくなったと聞いています。

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「ハーゲンダッツ」の世界観を表現

「ハーゲンダッツ」をオフィスで感じてもらえるようにと、様々な方法でブランドを視覚的に取り入れたという同社。経営企画室主導のリニューアルプロジェクトとなったが、社員の要望が取り入れられているため、社員全員で作り上げたオフィスという印象を受けた。では、具体的にどのようにそのコーポレートブランドをオフィスに表現したのだろうか。

染矢氏:社内のコミュニケーション活性化が課題でしたので、まず執務スペースをワンフロア化しようということになりました。以前は5Fと6Fに執務スペースが分かれていたので、階が違うことで生じていたコミュニケーションロスを失くそうと。執務室内はワンフロアであることを活かして、コミュニケーションを取りやすくするために仕切りを設けずに一望できるようにしています。その執務室の中心には、「マグネットエリア」と呼ばれる、簡単なミーティングができる4人掛けのスペースも4つほど設けました。 また、執務室内のイスにはコーポレートカラーの「バーガンディレッド」を使用しています。
また、会議室名をフレーバー名にしているのですが、これは早くに決まったアイデアでしたね。バニラ、ストロベリー、グリーンティー、クッキー&クリーム、マカダミアナッツ、チョコレートブラウニーの定番6品と、秋冬の定番商品であるラムレーズンが会議室名として選ばれました。一番人気のバニラは、役員会議室名にしています。実は、会議室の外からガラス越しに各部屋に付けられた名前のフレーバーの色のカーペットが足元にほんのり見える作りになっているんです。ストロベリーだとピンク色ですね。
リフレッシュルームもこだわって作りました。ランチをしたり、打ち合わせをする社員もいますね。ここの机やイスの色は女性社員に考えてもらいました。男性社員は一切口出ししていません(笑)。女性ならではの感性を活かしてもらおうという考えです。

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今後取り組みたいオフィス環境づくり

リニューアルして早半年。ブランドを守り続けるために設立30周年を機にオフィス環境を見直し、心機一転して更なる躍進劇を見据えるハーゲンダッツ ジャパン。今後取り組みたいオフィス環境作りとは。

染矢氏:30周年を迎えたので、当然企業として成長していく使命があります。そういった意味では、今後、人数が増えたときにどうするか、ということが次の課題になるかもしれませんね。現在も細かい部分で調整したりしているので、引き続き、社員が仕事をしやすい環境にしていけるように取り組んでいきたいと思っています。

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Pick Up  ここが、“ハーゲンダッツ”らしさ

■女性が働きやすい環境作り
女性が戦力という同社では、女性が働きやすい環境制度に特に注力している。育児休業制度や育児短時間勤務制度の充実化を図っており、2008年には「次世代育成支援企業認定マーク」を取得している。
※「次世代育成支援企業」認定マーク「くるみん」 : 子育てをしている労働者の仕事と家庭の両立支援のための環境整備、子育てをしていない従業員も含めて多様な働き方を推進する整備に取り組む企業として、厚生労働省から認定を受けた企業が取得できるマーク。

■企業訪問受け入れ実施
中高生を対象に、企業訪問を受け入れている。品質やブランドへのこだわりを学んでもらい、2013年には131校1439名の企業訪問を受け入れたそう。また、東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県の小学校を対象に「アイスクリームスクール」の食育出前授業を行っている。アイスクリームを切り口に、食に対する興味や関心を高め、積極的に食と関わることができるよう取り組んでいる。

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