オールアバウトの人と情報が“出入国”するオフィスと働き方

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株式会社オールアバウト
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あらゆる分野に精通したガイドと呼ばれる“その道のプロ”のノウハウが集約された総合情報サイト「All About」の運営を手掛ける『株式会社オールアバウト』。専門家ならではの知識や知恵で、多くの生活者が「不安なく、賢く、そして自分らしく生きる」ことを実現できるようにするための情報やサービスを提供している。2000年2月にサービスを開始。「システムではなく、人間。」を企業理念とし、IT業界でありながらもその考えの中心はシステムではなく“人”であるという同社は、個人にフォーカスを当て、人間ならではの創造性をベースに、インターネットに留まらないリアルの世界においても、そしてグローバルにおいても事業を拡大し新しいマーケットを生み出すべく邁進している。
2011年9月に渋谷から創業地である恵比寿へ三度目の移転をし、今年で3年目を迎える。魅力的な情報や人が往来するオフィス環境とはどのようなものなのか、移転時のプロジェクトと共に現在に至るまでの経過を広報の柏原浩志氏に伺った。

なぜオフィス環境に投資したのか

恵比寿で創業し、一度渋谷へ移ってから再び恵比寿へと舞い戻った同社。リーマン・ショックを機に、コスト削減のため渋谷区でも少々アクセスの悪いエリアを拠点としていた時期があったという。創業時から常に1フロアで入居していたそうだが、そこでは2フロアにまたがる事となり、今までと比較すると多少のコミュニケーションロスも生じていたようだ。

柏原氏:移転のきっかけは、再成長フェーズに入って順調に事業拡大したことや人員が増えたことです。恵比寿に戻ってくる形になりましたが、土地に対する愛着は代表が持っているようですね。リーマン・ショック後も渋谷にいましたが、IT企業は多々あるものの、駅前の乱雑な感じがどうなのかな…と正直感じていました。やはり恵比寿の方が落ち着いた大人の街で、仕事にも集中できて良いのではないかと思います。最近は恵比寿にもIT企業が増えてきたので、渋谷にはないブランド力で盛り上げていきたいなと目論んでいます。コンセプトを「空港」と設定し、社内外を含めて魅力的な人々が往来するハブ機能になってほしいという意味も込められています。

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オフィス環境変革後の変化や反響

移転して3年、オールアバウト内の「空港」では人と情報の出入りが年々激しくなっている様子。オフィス環境が変化したことにより顕著に表れた変化や反響を伺った。

柏原氏:階が2フロアに分断されていた以前のオフィスとは異なり、様々な部署間でのコミュニケーションも活発化したように感じられます。非常に長細い空間なので、見通しを良くしたことでかえって全体的に伸び伸びとした雰囲気が出るようになりました。代表が元々抜けのある空間を好んでいたので、社長室をフロアの一番奥に設けたのですが、そこからオフィス全体を見渡せるのが良いそうです。
また、ミーティングスペースは代表が最も気に入っている空間です。オフィスの真ん中にドカンと設けているので、最初は近くに座っているエンジニア側がうるさいと感じるのではないか、集中力を削がれるのではないかと懸念していたのですが、全くそういったクレームはないですね。こちらが想定した以上に場所をうまく使ってくれているなと感じています。移転前はこのミーティングスペースが各島(机)の最端にあったり、窓側にあったりしたのですが、全然使われてなかったんですよ。そこを改善して動線上に置いたのが良かったんでしょうね。何となく皆が自然に「そこに集まろうか」となるので。また、学生の最終面接の際にも、この執務スペースをあえて通ってもらうようにしています。社員の顔が見えるので、どんな会社なのかという雰囲気を伝えることができるという狙いもあります。
人が増えることによって、それぞれの場所の使い方も良い意味で変化してきていると思います。代表がよく弊社を「動物園みたいな会社」というのですが、そういったことを体現する空間にはなったかなと思いますね。

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「空港」でコミュニケーション活性化

現オフィスのコンセプトは「空港」。“コミュニケーション活性化”という課題をいかに解決し、どのような「空港」を目指していたのか。

柏原氏:弊社代表は「趣味が“図面引き”」と公言するくらいの空間デザイン好きなので、全体的に極めて無駄のないレイアウトになりました。最初にデザイナーの野村さんに要望を伝えて、野村さんの提案に対して代表の江幡が手描き図面を描き、あとの細かい部分は何度も密にやり取りをして決めたのですが、野村さんは過去の移転時にも何度かデザインをお願いしている方なので、今回のニュアンスもスムーズに感じ取って頂けました。
最も悩んだのは、オフィス内に構造上外せない大きな柱があったことです。それが中央に何本かあるので、抜けの空間を演出する上では当初は障壁でしたが、「空港」というコンセプトにしたことで、あえて空港内にある時計柱のような役割を持たせることで悩みは解消しました。空港は誰が行ってもワクワクしますよね。そういった高揚感を持って会社に来てほしいという思いを込め、社内外関わらず魅力的な人々が往来するハブ機能になってほしいという意味も込められています。会議室名を国際空港の名前にしたことも話の流れで決まりました。「ヒースロー」や「シャルル・ド・ゴール」などですね。小さい会議室には空港をテーマにした写真を壁一面に貼っています。ちなみに受付にある案内板はガラスを使用して見通しを良くし、上部には「Arrival Lobby」と表記してあり、その下に描かれているマップは、空港の案内図のように会社を紹介する地図になっているんです。
またライブラリーは編集部からの要望が最も多く、そこも外せませんでした。ウェブの会社でありながらも編集者は雑誌やカタログなどの紙媒体を参考にしますから。ここは空港でいう「ラウンジ」と呼んでいます。なるべくリラックスして食事などもできるよう、当初はラジオを流したり、スティックフレグランスのような香りを演出するものも置いていました。気分を変えるため、時々ミーティングに使っている人もいるようです。
家具は僕が全て見に行って、買い付けてきました。個人的に元々家具は好きなんです。大分モダンな印象になり、雰囲気が変わったかなと思います。

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今後取り組みたいオフィス環境作り

ここ3年の間で同社はグループ会社や子会社の増加に伴い、以前にも増してますます「動物園みたいな会社」となっているようだ。そんな同社の現在の課題、またその先に見えてきた新たな「空港」像とは。

柏原氏:今年に入って社員数がかなり増えたことから、すでにオフィススペースがかなり逼迫してきています。全くの未定ですが、社員がよりゆとりを持って働ける環境へのシフトチェンジなども視野に入れていきたいと思っています。グループ会社が増えているということもあり、最初は同じフロアの一角にあった子会社のスペースが段々と拡大してきて、今は境界線が曖昧になっているので、グループ間のコミュニケーションが分断されない程度に、もう一度仕切り直した方がいいんじゃないかと考えています。デザイン的にも、もっとシンプルにした方がいいのかなと。これらのことが3年経ってみて“課題”として見えてきたことは良かったと思います。今回の経験をベースに、次回もしも移転する際にはより良いオフィス環境づくりができると思います。
また、当初「空港」という情報が挙がった時に、社員手帳をパスポート風にしたり、名刺を航空券型にするというようなこともやりたかったのですが、そこはやはりコスト的にできませんでした。究極を言えば、エントランスに飛行機の発着を表示させるボードを取り付けて、外部のお客様の出入りと関連させてどのお客様がどの会議室へ、ということもしたかったですね。機会があればぜひ検討したいです。

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Pick Up “ここが、オールアバウトらしさ”

■社内行事あれこれ
様々な分野の専門家を抱える同社の、「らしさ」溢れる社内行事を一部ご紹介。
・半期に一度行われる、全社をあげての「キックオフ」。ボーリング場を貸し切って行ったことも。
・毎年行われる内定式は合宿形式。無人島でサバイバルをしたり、広大な敷地で知恵を絞った宝探しゲームをしたりするのだそう。
・年に一度、専門家の方々を招いて行うパーティ「レッドボール」。オールアバウトの方針報告と、日頃の感謝の気持ちを込めておもてなしする。
・毎月行う、当月生まれた社員の誕生日会ランチ。

■活発な部活動あれこれ
・野球部:関東IT健保やメディアリーグに属し、シーズン中は週に1度のペースで試合をしている。
・フットサル部:一か月に一度程度の練習や試合を行っている。
その他に、自転車部や料理部等もあるという。

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Creator’s Eye デザイナー / 野村氏

野村氏:今回はオールアバウトさんの代表が「無駄なく効率よくスペースを使う」ということをすごく重視されていたので、一人当たりの専有面積をタイトにしているんです。あと一人入れるんじゃないか…と何度も打合せをしながら何度も図面を描きました。無駄なくワークステーションを配置し、ファンクションスペースを生み出しながら。代表は建築用語もよくご存知で、良い意味で空間をよく把握されていて感性的な部分で合うところが多く、デザイナーとして一緒に空間を作り上げていく楽しさがありました。
今回一番苦労したのは、一番最初のデッサンでしたね。デコレーションする以前の段階です。元々の建物の形も複雑で柱の問題もありましたし、今までのオールアバウトさんのオフィスともまた異質でしたので、スペース確保と間の取り方に苦労しました。でも、社内に優秀なグラフィックデザイナーさんもいらっしゃいますし、決まってからはとても楽しく作業ができました。
ご提案した部分に関しては、ラウンジスペースの必要性です。席数を確保しつつ、オールアバウトさんの文化の中で残したい部分だというこだわりですね。また代表の席の近くに「キャンティーン」という立ちカウンター、ドリンクコーナーを作るご提案はかなり代表に押しました(笑)。結果的に気に入って頂いているようなので、良かったと思います。

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企業情報
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  • 会社名 株式会社オールアバウト
    URL http://allabout.co.jp/
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