エキサイトのカフェから人の輪が広がるオフィスと働き方

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エキサイト株式会社
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インターネットの利用に欠かせないポータルサイトの運営をはじめ、コミュニティ―サービスやブロードバンド接続サービス等、多岐に渡るインターネット情報サービスを展開させている『エキサイト株式会社』。「心満たされる、コミュニケーションへ」をミッション・ステートメントとして掲げることで、同社が最も重視している“人材”の結束力を高め、社業を発展させるべく日々邁進している。
1997年設立以降、日本だけでなくフィリピンとインドネシアにも新たに子会社・関連会社を設立し、ワールドワイドにサービス展開を行っている同社は、2010年恵比寿から麻布へとオフィスを移転し、今年5月には社内を一部改装。ワクワクと感動、そしてオリジナリティ溢れるサービスを生み出すための環境投資について、代表取締役社長 今川聖氏と、経営企画室 人事・総務セクション 佐藤太一氏、田邉愛美氏よりお話を伺った。

なぜオフィス環境に投資したのか

2010年9月、恵比寿ガーデンプレイスから現在の麻布グリーンテラスへと移転をし、2014年5月に本物のカフェさながらの「Excite café」が新たに加わった“新生エキサイト”としてのスタートには、どのような背景があったのだろうか。またオフィス環境投資についての同社の見解とは。

今川氏:「Excite café」の構想としては2013年夏頃からありましたが、社員数増加によって社内リフレッシュスペースが手狭となったため、以前子会社が入居していたスペースを活用してリフレッシュスペースを拡充し、更なる就労環境向上を図りたいと考えました。

佐藤氏:以前はフロアが2階に分かれていたので、ワンフロアで全社員の顔が見える物件を探していました。しかし、当時200名以上入れる物件があまりなく、そんな時、2009年に竣工されたこのビルが、新築でちょうど条件に合致したんです。このビルに決定後、株式会社アーバンプランの三宅さんにオフィスの設計をお願いし、社内でもプロジェクトチームを組んで、社員の要望を少しでも実現できるようにしました。社名が『エキサイト』なので、みんなのワクワクが仕事にも反映するように、そして来て頂くお客様にもそのワクワクが伝わるように、というコンセプトで動いていました。

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オフィス環境変革後の変化や反響

執務スペースとは対照的な印象のカフェスペース。挽きたてのコーヒーの香りが漂う空間に入ると、心なしか社員の方々の表情が穏やかになるように見受けられた。そんな「カフェ」が社内外にもたらした影響とは、どのようなものなのか。

今川氏:多くの従業員が休憩・ミーティング等で利用しています。昼時はほぼ満席です。
ワークスペースを一度出ないとリフレッシュスペースに入れないため、オンオフの切り替えになっております。
夏場には納涼会、秋にはハロウィンパーティーを実施し、社内コミュニケーションの場として一役買っています。また、記事取材・撮影場所としても利用しており、社内外からの評判は大変良いですね。

佐藤氏:取材の際には、街中のカフェにいるかのような雰囲気が出せるんです。それでいて一般の方もいないので自由に撮影ができて、ゲストが緊張せずに話して下さるように感じます。会議室が空いていなくても、ここでざっくばらんな打合せもできますので、ラフな感じでお話ししやすくなりましたね。例えばランチに行って、誰かが打合せしているなと思った時は少し離れて座るなどして、皆自然と振る舞っています。ここを「リフレッシュするためだけのスペース」と限定してしまうと使われない時間もあって勿体ないですが、ランチ時間は自由ですし、仕事でも使える空間としていることで使用頻度はかなり高くなっている気がします。

田邉氏: 5月にこのカフェができ、7月ぐらいに暑気払いを開催したところ、結構社員が集まったんです。そこで、また何かイベントをしようということになって先日ハロウィンパーティーをしました。新入社員にイベント企画を任せて、カ飾り付けからイベント運営までしてもらいました。今までは外の会議室や宴会場を借りないとこういうイベントはできなかったのですが、今は社内に全社員が集まってオードブルとお酒を囲んでコミュニケーションがとれるようになりました。社員もここを活用して、気に入ってくれているようです。丁度カフェができたタイミングで、一階にお弁当屋さんが来るようになったので、そこでお弁当を買ってカフェで食べる社員も増えました。また、コーヒーサーバーが入るようになって、よりカフェらしくなってきたと思います。おいしいコーヒーが飲めるので、良い気分転換にもなります。
面接に来た学生さんからも、凄く綺麗なオフィスですね、と言って頂いています。執務エリアも見学して頂くのですが、カフェとはまた違った雰囲気で、社員同士がフラットに話をしたりしていて楽しそうな明るい雰囲気なんだなと感じて頂けるようになり、良かったと思います。インターンシップの参加者との交流会や懇親会でも使うようになりました。今まではお客様にいらして頂ける機会があまりなかったのですが、このカフェができたことでそういう機会がとても増えましたね。

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「カフェ」を中心に広がる人の輪

4年前の移転プロジェクトの時は、社内でプロジェクトチームを組み、社員の要望を集約して実現化させることに試行錯誤していたのだそう。通常、規模からして最低一年はかかるところを、設計・施工を含めて半年以下というスピードで行ったという。執務スペースと対照的な雰囲気で2014年5月に竣工された「Excite café」はどのような空間となったのだろうか。

今川氏:カフェについては、「不揃いの統一感を有するカフェ」というテーマに則って、いくつかのデザイン候補から、社内アンケートを参考に決定しました。全体的に照度を落として、リラックスできる空間にしました。本格的なカフェを想定して、壁をタイル張りに、フローリングには天然木を使用し、開放感を出すために天井をハーフスケルトンに施工しました。また、カフェスペースの先に70名程が収容可能な大会議室を設置することで、会社説明会やセミナー開催の際にラウンジとして活用できるようにしました。
家具は旧リフレッシュスペースで使用していた家具の天板を貼り替えてうまく使用しつつ、照明・テーブル・ソファーなどをリーズナブルな家具にすることで、雰囲気を損ねることなくコストを抑制することが出来ました。他にもコンセントを多数の座席下に設置したり、WiFi環境を整備することにより、リフレッシュスペースでも自由に仕事ができる環境を整えることが出来ました。

佐藤氏: 執務スペースの社内会議室名は、社内公募により世界遺産となっています。恵比寿のオフィス当時では音楽家の名前が付いていました。今ある会議室の名前には、「グランドキャニオン」や「万里の長城」などがあります。一方で、来客用会議室はシンプルに英数字にしています。ただ、英数字なので「Ⅳ」と「Ⅵ」など、一瞬戸惑う社員も多いようです(笑)。
「Excite café」の特徴としては、実用的な黒板があるということですね。昔からエンジニアは話しながら文字や図を描く文化があって、打合わせ中もよく紙に書いて説明したりするので、黒板も大きくとってもらおうということになりました。ホワイトボードのマーカーの消耗も非常に早いんですよ。
あとは、カフェのような雰囲気にコンセントを充実させることで、外に出なくても気分転換ができて仕事もできるように、働き方に選択肢を持たせるようにしました。

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今後取り組みたいオフィス環境づくり

「Excite café」ができて半年ほどが経過した現在も、有効的にスペースを活用しようという動きが社員の間で活発に行われているようだ。今やカフェを中心に社内外交流が行われていると言っても過言ではないだろう。今後のカフェ空間の活用法と、今後取り組みたいオフィス環境づくりについて最後に伺った。

今川氏:一階に来るお弁当屋さん以外にも、試験的に色々入れてみたらどうかという従業員の声も挙がっていますので、カフェスペース内にて弁当等の販売などを検討中です。

佐藤氏:コーヒーサーバーも社内の声で導入したんですよ。 カフェはそれなりに力を入れてこだわって作りましたので、なるべくうまく使ってほしいと我々の上司も言っています。社員の声があれば実現に向けて動きたいと思っています。僕の中ではこのカフェを作れたということが一番嬉しかったですし、それをまた活用してくれているということも嬉しくて。現状では満足しているのですが、今後もっとうまくこの空間を活用していきたいと思っています。最初はせっかくデザインして配置も考えて頂いたのに、勝手に家具が動かされたりしたので凄く神経質になってしまって、「動かさないでよ!」と家具の位置をこまめに戻したりもしていましたが・・・今は、自由に使ってもらえるのであればそれでいいかなと思っています(笑)。オフィスは生き物だとよく言いますしね。

田邉氏:カフェでイベントを開催して、社員の繋がりをもっと増やしていけたらいいですね。直近ですと、クリスマス会と納会が恐らく一緒になるかと思います。ルールは特にないので、今後も社員が自主的に考えてうまく場所を活用していけたらと思います。

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Pick Up  “ここが、エキサイトらしさ“

■女性の働きやすさ
育児休暇、育児勤務制度が整っており、社員の満足度が高いという。産休に入って復帰する社員も多いそうで、勤務時間はコアタイムを10時~15時としたフレックスタイム制となっている。また、資格取得・研修受講などの自己啓発支援も積極的に行われている。

■社内イベント
2014年5月に「Excite café」ができて以来、このスペースを使った社内外イベントが盛んに行われている。夏に行われた「暑気払い」、秋の「ハロウィンパーティー」の他、「クリスマスパーティー」を兼ねた「納会」などが開催されたのだそう。また、ゲストを招いた講演会や、インターンシップの懇親会なども積極的に行われている。

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Creator’s Eye  株式会社アーバンプラン 設計士 / 三宅篤郎氏 ・ デザイナー/五味 真哉氏

三宅氏:執務スペースの方は、設計・デザインを含めて時間はかかりましたが、それでも通常と比べたら短いですね。この規模ですと通常は一年ほどかかりますから。ご要望として頂いていたことは、ワンフロアを活かして社長室から全体が見渡せるような配置にしてほしいということでした。接客エリアの位置を除いた部分では、社長室からの見渡しを含め、エントランスの位置、監査室の配置などが課題でした。また、座席数が多いのでそれを眺めの良い方に集約したり、社内会議も多いので会議室を点在させたりと、他にも社員の方のご要望が多かったので、それをまとめるのが大変でした。
また、エントランスは会社の顔になるので、“エキサイトらしい”エントランスをとお願いされ、ワクワクするような雰囲気を出すために最初は上から飛行機をぶら下げたり、いろんなものをぶら下げて遊園地のような感じをご提案したんです。でもちょっとやりすぎだなと(笑)。それでいろいろと削ぎ落としていったら結果的に意外とシンプルになりました。あえてギャップが出せて良かったのではないかと思います。
カフェの黒板のアイデアをご提案した際には、皆さんよく書いて話し合いをすると伺ったので、じゃあどうせならもっとたくさん書けた方がいいねということで大きな黒板を設置することにしました。皆さんが自発的にこのスペースを利用されていると伺って、その空間からまた新しいものができつつあるような、育っているような感じがして嬉しいですね。

五味氏:カフェの方向性としては、“多目的ワイガヤスペース”がコンセプトになっています。とにかくみんなで集まってワイワイガヤガヤしよう、ということですね。そもそも増員をするタイミングとこのエリアを作るタイミングが重なっていて、その時すでに執務スペースにあったリフレッシュルームが手狭だったので、それじゃあカフェテリアを丸々作ってしまおうということになりました。最初は打ち合わせに使えるスペースをお願いされていたのですが、そういった状況があったので、最終的には思い切って打ち合わせもできるリフレッシュスペースにしてしまおうという発想に至りました。エントランスとカフェの入り口が別になっているという特徴を活かして、執務スペースとはあえて雰囲気をガラっと変えてしまおうと思ったんです。執務スペースがすっきりシンプルなのに対し、カフェはヴィンテージ感を出して「おもしろい会社だな」と思って頂けたらいいなと思っていました。全体のイメージはある程度頂いていましたが、雰囲気をガラっと変えたいというご要望があったので、隠れ家的なカフェにすると落ち着く空間になるんじゃないかと思ったんです。執務スペースの中にリフレッシュスペースがあると、どうしても執務スペースが見えてしまってオフィスの延長線上になってしまいますが、今回は全く別々の空間なので、気持ちが切り替わるくらいガラリと変えるということがポイントかと思いました。
家具はあえてバラバラのものを使ったのですが、同時に照明もバラバラなものにしました。元々エキサイトさんが使っていた良い家具があったのでそれらを使って、その他は一般的になじみのある家具を入れました。本格的な商業家具は重くて持ち運びにあまり適さないということもあり、すでにあるものと組み合わせて使えるようにしました。あまり仰々しい感じではなく、カジュアル感を取り入れました。
黒板については、最初少しだけカフェ感を出すために、どこでも移動して使えるコンパクトな物をご提案したのですが、エキサイトさんは皆さん結構書くことが多いということだったので、その意見を取り入れ、“ワイガヤ”のコンセプトにも合うよう結果的に広く設置することにしました。
最初のデザインからすでにいろいろと移動したりして今は以前とは変わっているというエキサイトさんのお話しを伺って、それがある意味理想的な使い方かなと思いました。皆さんが自分で工夫しながら使って、「ここに行けば何かある」という良いスペースになっているなと思いました。あのまま逆に使われていなかったら悲しいですからね。とても良いことだと思います。

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