メドピアの「Our Values」~価値観と機能性を両立させたオフィスと働き方

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医師を対象とした専門の情報交換サイト「MedPeer」の運営などを手掛ける『メドピア株式会社』。「集合知によって医療分野を変革する」というビジョンのもと、「医療×IT(ヘルステック)」という分野で事業領域を拡大し急成長を遂げている。

2014年6月には東京証券取引所マザーズ市場への上場を果たし、話題となった。また、同年11月には恵比寿ガーデンプレイスタワー内に本社を移転し、12月には創業10周年を迎えるなど、2014年はメドピアにとって大きな転換期となった年だった。

2004年の創業以来「医療」にこだわり続け、成長余力が無限にある「医療×IT」という事業領域の中で、医師集合知プラットフォームを基盤とし、医療分野の変革に挑み続ける同社が考える“オフィス環境づくり”とは。代表取締役社長であり、自らも医師で医学博士の資格を持つ石見 陽氏にお話を伺った。

なぜオフィス環境へ投資したのか

創業以来、右肩上がりに成長を続け今回で6回目のオフィス移転となったメドピア。これまでとは違い、今回はオフィス環境の整備に相当力を入れたとのことで、代表の石見氏も「自分たちの価値観を体現するようなオフィスにすることができた」と語る。石見氏を筆頭に同社がオフィス環境を重視した理由とは。

石見氏:今回の移転のきっかけは危機感からでした。社員が多くなり、各自の机の幅がとても狭くなってしまったのです。これまで青山通り周辺にオフィスを構えてきたので、今回も当初は青山通り沿いで物件を探したりもしましたが、最終的に恵比寿ガーデンプレイスタワーに決めました。その理由としては、昔ここで働いていた社員が何名かいて彼らの後押しがあったことと、ガーデンプレイスはいわゆる地域のランドマーク的なビルの走りでもありますし、自分の親でも知っているビルというのもいいのではと思い、知名度も含めて決めました。またIT系の企業が多く入居していることから、エンジニア同士の交流も生まれるのではという期待もあり、そういう意味では複合的な要因でこの場所を選びました。

オフィス移転に当たっては、移転先は必ず自分が決めるようにしています。やはり一日の半分を過ごす場所なので、そこはこだわりたいと思っています。医局があまり良い環境とは言えなかったので、その反動かもしれないですね(笑)。これまでのオフィスは居抜きで偶然借りられたというところもあり、工夫のしようもなかったですし、資金的にも余裕がありませんでした。

また、ある時意見交換でアメリカに渡った際、シリコンバレーで室内を犬が歩いているオフィスなどを見学したのですが、そこで、「それぐらい自由でいいんだ」と気付かされたんです。むしろ自由であった方が一人ひとりのクリエイティビティーがより発揮できるのだと肌で感じられ、そういうオフィス環境を作りたいと考えていました。

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オフィス環境変革後の変化や反響

今回の移転を機に、代表の石見氏が目指していたものに社員の意見や要望も取り込んで、これまでとは一線を画すオフィス環境を形にしたメドピア。社内外において移転前と大きく変化した点などはあったのだろうか。

石見氏:外部からのお客様をオフィス内に迎えて案内をしている社員がとても増えました。会社としても社内の紹介を積極的にしていいことにしています。当社の社員たちは比較的おとなしい人たちが多いのですが、そんな彼らが外部の方々にオフィスを自慢してくれているというのは、嬉しいですよね。これは社員も喜んでくれているということだと思います。

また、そうして社内を見ていただいたお客様の評判も良いようです。メドピアが大事にしているクリエイティブな感性といった部分をオフィスで表現しているつもりなので、社員だけでなく外部の方にもその辺を感じてもらえることは嬉しいです。

オフィスの中心には「セントラルパーク」と呼ばれる多目的スペースがあり、その空間を囲むような形で執務スペースが広がっているのですが、この「セントラルパーク」を活用して社内勉強会が実施されるようになりました。エンジニアが最先端の技術に関する研修をしたり、ビジネスにおける思考のスキルを学んだりしています。

こうした動きが社内から自主発生的に生まれたのは素晴らしいことだと思っています。これからも継続していきたいですし、「セントラルパーク」には50名程度のキャパシティーがありますので、今後は社外から講師を招いて様々な交流会を実施し、社内外の交流を増やしていく予定です。

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メドピアは“自立した人たちが集まり、一人ひとりが個人プレーではなく連携して、組織全体として最大の力を発揮する会社”というのがあるべき姿だと考えています。社員たちにはこの新しいオフィスを活用して、「我々は異端の挑戦者である」「我々は最高体験を提供するプロフェッショナルである」「我々は家族である」という『Our Values』と呼んでいる価値観に沿って、メドピアの一員として自立した働き方をして欲しいと望んでいます。

 

メドピアの価値観と機能性を兼ね備えたオフィス

社員の意見や要望に加え、メドピアの「Our Values」という価値観を取り入れながら進められたという移転プロジェクト。これらを具現化するため、新オフィスにはどのような工夫が施されたのか。

石見氏:場所が決まってからは株式会社ワークプレイス ソリューションズ(WSI)さんにプロジェクトマネージャーをお願いし、デザインに関してはGensler(ゲンスラー:米大手設計事務所)さんに依頼しました。本格的なデザインに着手する前に社員を交えたワークプレイス調査を実施し、彼らの要望を集めました。ただ全員の要望を聞いて最大公約数的なプランにしてもまとまりがなくなるので、ある程度トップから落とすところ、社内の移転プロジェクトチームレベルから落とすところ、皆から上がってくる意見と、それらのバランスについては意識しました。加えて、当社が掲げる「Our Values」という価値観を体現するため、WSIさんと一緒に試行錯誤を重ねました。

内装を考えるにあたり、派手で無駄にスペースを使うようなことはしないように心掛けました。とはいえ無機質になり過ぎるのも良くないと思い、各スペースにしっかりテーマを決めました。一部の壁やガラスには2進法の「0」と「1」をあしらい、医療とITの企業としてデジタルを表現したり、さらにその「0」と「1」の並びが離れて見ると絵になっているとか、そういった遊び心も加えました。

「メドピアウォール」と呼んでいる場所もあります。このスペースにはサイトに協力をいただいている医師の方々の顔写真などを飾っていまして、当社の「集合知」という考え方を表しています。個人的にもこの場所はお気に入りですね。

ほかに、社員からの要望を取り入れて、会議室や執務室の壁一面をホワイトボードにしてすぐメモが書けるようにしたり、黒板があったり、機能面でも様々な工夫をしています。執務室のイスに関してもやはり社員から要望があり、機能性にこだわったものを導入しています。Genslerさんも柔軟に多くのアイデアを提案してくれました。

室内はホワイトの壁をベースに当社のコーポレートカラーのグリーンをちりばめてありますが、この点もこちらからお願いしたのではなく、うまく汲み取ってくれました。プロジェクトを進めていく上で非常に良いチームだったと思います。

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今後取り組みたいオフィス環境づくり

ここまでのオフィス環境を完成させながら、同社は既に次の段階を見据えている。更なる環境の改善や進化に向けて、今後の構想について尋ねた。

石見氏:今後、社員の持つスマートフォンに専用アプリを入れて、彼らが行った場所が記録されるという仕組みを導入する計画があります。一定期間社内での行動を記録し、各スペースを社員がどのように動いて利用しているのか確認できるようにします。

これらのデータを数値化して分析し、現状のオフィスを改善するとともに、次のオフィスづくりにも活かしていきたいです。また、医療に関するビジネスを展開していますので、エントランスのすぐ横にクリニックのようなスペースを設けたいと考えています。こちらは2015年の春ぐらいを目処に設置する予定です。

現在、年間約20名のペースで人員を増やしています。このペースだと2014年11月に移転してきたこのオフィスも、あと2年ほどで一杯になってしまうでしょう。そうなると、もしかすると2015年の年末頃には、次の場所を探し出すという話も出てくるかもしれません。お話させていただいた通り、今回の引っ越しではそれなりに時間、労力、金銭面でオフィス環境に力を投じたつもりです。次の場所についても、自分たちの価値観をより表現できる空間にしたいと考えています。

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Pick Up  ”ここが、メドピアらしさ”

■医療ビジネスにちなんだユニークな会議室
医療関連の情報サービスを展開し、代表の石見氏自身も医師であるメドピア。その会議室も非常にユニークで、「オペ室」「第1診察室」「特診室」などと名付けられた部屋がある。「オペ室」はその名の通り“手術室”をイメージした部屋で、テーブルやイスも手術台を模したステンレス製のものが使用されている。

しかし、この部屋で最も強烈な存在感を放っているのが白衣を着た人体の骨格模型!夜見ると社員の方でもちょっと怖いのだとか…。ほかにも「Bridge」「Trees」「Pond」といった会議室があり、それぞれその名をイメージしたデザイン施されている。

■ヘルステックカンパニーならではの風景
エントランスの脇にAED(自動体外式除細動器)を常設しており、社員に向けた講習会も随時開催している。「メドピアウォール」には、その講習会の写真も飾られている。また、インフルエンザや風疹の予防接種を会社負担で全社員に実施することも。

■開発合宿
同社のエンジニアたちが参加する合宿。普段のオフィスから離れ、旅館などで集中的に開発を行う。合宿で開発されたアプリなどは実際にリリースされることもあるという。会社がその宿泊費と交通費を支援している。

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Creator’s Eye  ゲンスラー・アンド・アソシエイツ・インターナショナル・リミテッド

今回、メドピア様からは、「企業コンセプトである“Our Values”を体現できるオフィスにしたい。」とのことでご要望がありました。加えて、「医療現場の臨場感を取り入れたい。」「将来の拡張性を持ちつつ、フレキシビリティだけではない“いけてる”オフィスにしたい。」というご意見もありました。

このご要望に対して我々は、「挑戦者」たちがそれぞれの場所で「プロフェッショナル」として戦い、「家族」として関わり合い、方向性や目標を同一にしていく、という企業コンセプトを可視化するデザインを目指しました。部署間に仕切りを設けない見通しの良いオフィスの中で、中心に「家族」が集える“セントラルパーク”を設け、コミュニケーションがすべての中心にあることを身を持って感じられるようにし、そこに集まる「集合知」と社員一人ひとりの思いがひとつの方向性を持って動き出すことを、床と天井の力強いラインによって表しました。

お医者様を顧客とする企業としての誠実さや信頼感と、“医療×IT”という分野を開拓するイノベイティブな企業として人々を惹き付けるクリエイティブな空間、その二つを同時に実現させることはなかなか難しく、悩むところではありましたが、結果的には満足していただけました。また、施工後には、セントラルパークで勉強会が行われるなど、自発的で活発なコミュニケーションが生まれるようになっただけでなく、社員の方々が外部からのお客様に対し、積極的にオフィスを案内できるようになったという喜びの声もいただいています。

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企業情報
  • logo
  • 会社名 メドピア株式会社
    URL https://medpeer.co.jp/
    設立
    代表者
    上場区分
    住所
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