ウエディングパークの“未来を創造する”ためのクリエイティブ・オフィスと働き方

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株式会社ウエディングパーク
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株式会社ウエディングパーク

インターネット×ブライダルを軸として3つのネットメディアを企画・運営し、ブライダルというマーケットにおいて大きな躍進を遂げている『株式会社ウエディングパーク』。同社の代表的なサービスである国内最大級の式場探しのクチコミ情報サイト「ウエディングパーク」は、日本で最初にリアルな新郎・新婦のクチコミ情報を提供したという歴史を持ち、今や結婚式場検索サービスの中では群を抜いて利用率の高いインターネットメディアへと急成長している。この「ウエディングパーク」以外にも、同社では海外挙式クチコミサイト「Felicita」、フォトウエディング情報サイト「Photorait」など、ウエディング業界の活性化に繋がるようなサービスを数々手掛けており、ウエディング業界のイノベータ―として常に挑戦を続け、今なお新たなブライダルマーケットの創造に邁進している。また、幸せの新しい価値を探求し、多くの人々に提供し続けるため、「幸せのための9つのピース」という行動規範を設け、社員一人ひとりが高い志を持って成長していけるような組織作りにも力を入れている。そんな同社は“21世紀を代表するブライダル会社を創る”というビジョンに向け、今回の移転でその基盤となる「未来を創造するオフィス」を見事に創り上げた。そのこだわりのオフィス環境について、ブランド推進室ブランドマネージャーの菊地亜希氏にお話を伺った。

なぜオフィス環境へ投資したのか

2004年に株式会社サイバーエ一ジェントのグループ会社になって以来、ほぼ毎年に近い形で頻繁に移転を行ってきたという同社は、これまで長年に渡り拠点を置いていた渋谷を離れ、2015年4月1日表参道に移転をした。業容拡大と共に移転をすることが恒例行事のようになっているという同社だが、今回の環境投資の経緯とその目的とは。

菊地氏:当社の代表が元々メーカー出身ということもあるのですが、メーカーというのは新しい製品や良い製品を作るために工場に投資をするということがよくあると思います。それと同じように、ネット企業は人々が働く“オフィス環境”に投資をするということが大事なのではないかという代表の意向が大きいですね。もちろん事業規模が小さいときはそれなりに抑えつつという感じでしたが、オフィス環境への投資というのは基本的に前向きに考えるという代表の意向が元々ありました。
そして2014年の6月にロゴを変更して、よりブランド力・クリエイティブ力を高めていこうというような気運が昨年から全社的に高まっているということもある中で、オフィスや立地に投資をすることによって、社員がクリエイティブなものを生み出しやすい環境を整え、良いものづくりをしていくことで、会社としてサービスとしてのブランド力を高めたいという意向があったというのがまず一つですね。もう一つとしては、我々のサービスは常にユーザーが入れ替わり、若い方々がどんどん入ってくるようなサービスなので、そういった方々にも実際にオフィスに遊びに来ていただきたいと思ったからです。弊社ではグループインタビューなども積極的に行っているのですが、そういった時に立地が良いというのは重要なポイントになりますので、ユーザーの方々により来ていただきやすい環境を整えるという意味で、環境に投資をしたという経緯があります。
ウエディング関連の企業が多く集まっている場所でいうと、ドレスショップやジュエリーショップなど、元々は銀座が多かったのですが、最近では表参道にもそういったウエディング関連の企業が多く集まってきています。また、ブライダルのサービスというのは常にユーザーが新しく入れ替わっていくところが特徴なので、これからの若い方々のトレンドなどを働きながら感じられる環境というのが非常に大事だと思い、今回の移転では表参道という場所を選びました。もちろん渋谷も若い方々のトレンドを凄く感じやすいところではあるのですが、表参道は若い方々が集まるエリアである渋谷・原宿に近いということに加え、ウエディングの注目スポットであるということで、こちらに移転を決めました。また、表参道はウエディング以外にもファッションやグルメなどのトレンドの発信地でもありますし、トレンドへの意識の高い方々がたくさんいらっしゃるということもありますので、今回そういうところに身を置いたことで、自分たちもより良いものを見て、良いものづくりをしていかなくてはいけないなという意識が高まっているような感じはしますね。

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オフィス環境変革後の変化や反響

「21世紀を代表するブライダル会社を創る」というビジョンを掲げ、企業の成長と共に渋谷内だけでも今まで10回近くの移転を経験してきた同社。代表の意向もあり、オフィス環境への投資については常に前向きだったというが、今回の移転では今までとは明らかに違う変化が社内に表れたという。社内外からの反響面も含め、その大きな変化について伺った。

菊地氏:反響はとても良いですね。会社に来るのが楽しみになったという声や、快適に仕事ができるという声も社員からはいただいています。朝早く会社に来る人も以前より増えたように思います。それも、新卒というよりはどちらかというとベテランの方々の方が早く来ていますね(笑)。これについては、オフィス移転と共に制度(※Pick Up参照)も一緒に作ったというのが大きいのではないかと思います。
社員の働き方の変化という点で言うと、自分の席以外のいろんなところで仕事をしている人が増えたというのはありますね。以前のオフィスでは、空いている席や外のカフェに行って仕事をするというようなワークスタイルの方もいたのですが、今回の移転ではそういった自分の席以外のところで仕事をするというワークスタイルを支援できるようなスペースを多く作ったので、オフィスの中で自由に気分転換をしながら仕事ができるようになっています。
移転前も割とオフィスへの投資はしていた方だと思っていたのですが、今まではオフィスが変わることで“働き方”まで変化するということを実感したことがなかったので、今回の移転を終えた後、「環境でこんなにも変わるんだね」と驚きながら役員と話をしていました。会社に来るということのモチベーションがオフィスによってこれほどまで変わるということが、今回の移転では凄く実感できていますね。
あとは朝食会やランチ会を始めたり、サイバーグループのエンジニア交流会の会場として使っていただいたり、社内だけではなく社外の方々も「遊びに行きたいです」と言ってくださるような環境になったので、反響としては非常に良かったと思っています。

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コンセプトを実現させるためのこだわり

今回同社が移転をしたビルは新築だったためプロジェクトを取り巻く関係者も非常に多く、各方面での調整には苦労をしたそうだが、“交渉力”と“信頼感”を決め手として選んだプロのパートナーと手を取り合い、1年弱で見事にこの移転プロジェクトを成し遂げた。同社内ではブランドマネージャーの菊地氏、プロジェクト推進責任者、セキュリティ責任者の3名でプロジェクトチームが組まれ、外部とのやりとりはもちろん、経営者や社員からの意見収集も積極的に行ったという。会社全体をうまく巻き込むことで理想のオフィスを完成させた同社に、オフィスのコンセプトとこだわりについて伺った。

菊地氏:まずここに移転するということを決めたときに、代表からのリクエストとして、先程もお話しした“ブランド力の強化”と“ユーザーとの接点”、そしてもう一つ“社員同士のコミュニケーションを促進したい”という意向がありました。というのも、当社はネット企業ではあるのですが、東京だけではなく大阪・名古屋・福岡を始め全国8拠点に支社を設けていますので、出張に出ているメンバーも多いですし、油断をしていると社員同士のコミュニケーションが希薄になっていく可能性があるということで、よりコミュニケーションが促進される環境を整えたいというオーダーがありました。
また、当社は「21世紀を代表するブライダル会社を創る」というビジョンを掲げ、10年前に業界で初めて式場のクチコミサービスを始めているイノベータ―的な気概というのがあるので、今回“創造する”というキーワードを新たに掲げることで、これからこのオフィスを基盤にして未来をどんどん創っていきたい、先進的なコーポレートブランドを創っていきたいという意味を込めて、「未来を創造するオフィス」というコンセプトにしました。また、社員みんなでオフィス自体を丁寧に大事に使っていく、創り上げていくというような意味も込められています。
そんなコンセプトを基に創ったオフィスのこだわりとしては、まず1つ目にエントランスが挙げられます。当社はウエディングのサービスを扱っていますが式場を運営しているわけではないので、結婚式を挙げたことがない若いメンバーのためにも、ウエディングの“非日常感”みたいなものをオフィスに取り入れたかったということに加え、ロゴを変更したのでそのロゴに対する愛着を持って欲しかったということがありました。そして、エレベーターを降りたときにブランドのインパクトを与えたいということもあったので、元々あった壁を取り払って全面ガラスの壁にして、左側にあった入口のドアも右側にずらしていただきました。また、エントランスに足を踏み入れた来訪者の方々に「なんか楽しそうな会社だな」という雰囲気とウエディング企業らしさを感じていただきたかったので、割石やレンガを使って南仏プロバンス風のゲストハウスのようなイメージにデザインしました。
2つ目はコアワーキングエリア兼リラックススペースの「パティオ」ですね。元々コンセプトを生み出す前にあったリクエストとして、“コミュニケーションを促進したい”という代表の意向があったことに加え、“ミーティングスペースが少なく、リラックスできるスペースもほとんどない”という社員からの課題もありましたので、それらを一気に解消すべく、個人作業もできてリラックスもできるような多様な使い方ができるスペースを贅沢に取りました。
3つ目は会議室の内装です。来訪者用の会議室は全部で4部屋あり、「Crystal(クリスタル)」「Emerald(エメラルド)」「Mariage(マリアージュ)」など、社員からの公募で全てウエディングに関連する名称が付いているのですが、その中の「Crystal」と「Emerald」にはあえてオフィス家具ではなく家庭用やレジデンシャルな家具を入れ、お客様がいらしたときにリラックスした環境で取材やグループインタビューを受けていただけるような環境にしました。逆に「Mariage」についてはオフィス家具が中心となっており、約30人が収容可能な大会議室としても使用できますし、稼働間仕切りで区切ることで2つの会議室として使用することもできるように、目的によって柔軟に使い分けられるような工夫をしました。社内全体のレイアウトとしても、執務エリアとミーティングエリアを完全に分けることで、将来的に社員が1.2~1.5倍に増えていったときでも、パティオのエリアを執務スペースに変えたりというような形で柔軟なレイアウトができるよう、似たような機能は寄せるようにしました。
4つ目は執務エリア内に“バージンロード”をデザインしているというところですね。移転前のオフィスにもあったのですが、ウエディングの企業を象徴する点としてバージンロードをオフィスの中心に設けていまして、エントランスから執務エリアに入り、バージンロードを通ってまたエントランスに戻ってくるという一周のルートができるような動線の工夫もしています。
他にも細かいところで言うと、全室にスクリーンやモニターを設置してできるだけ紙の無駄使いを減らしたり、移動のコストの問題も排除するような取り組みも行っています。

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今後取り組みたいオフィス環境づくり

ユーザーの入れ替わりが激しいだけでなく、時代の移り変わりと共にユーザーのニーズも変化していくウエディング業界では、そのニーズをいかに素早く読み取り、柔軟に応えていけるかどうかが大きな鍵となる。この“変わりゆくユーザーのニーズ”が一番の競争相手だと話す同社は、今回の移転で「未来を創造するオフィス」を手に入れた。同社はこれからこのオフィスを基盤に更に新しい価値を創り上げ、多くのユーザーのニーズに応え続けていく訳だが、今後どのようにこのオフィスを活用し、どのようなオフィス環境づくりを行っていく予定なのだろうか。その展望について伺った。

菊地氏:まだ具体的に企画がある訳ではないのですが、ユーザーさん向けのイベントを行っていきたいと思っています。弊社はネットサービスなので実体が無いのですが、取材やグループインタビュー以外でも気軽にふらっとお越しいただけて、リアルに「ウエディングパーク」という場を感じていただけるような取り組みは行っていきたいなと思っています。
また、先日「8活(はちかつ)」という新入社員のアイディアから生まれた新制度の朝食会を行ったのですが、その別バージョンとして、今後はヨガや社外講師を招いてのセミナー、映画の上映会など、朝の時間を充実させるような社内向けの取り組みなども積極的に行っていきたいなと思っています。
そして、移転をしてすぐだと「環境に慣れていないから」という理由で不満が挙がってきてしまうため、今まで少し様子を見ていた社内アンケートについてもそろそろ準備をする予定です。内容にもよりますが、既に「ここに時計を付けてほしい」とか、「会議室にストップウォッチを置きたい」などというような声が私を含めプロジェクトチームの担当者の方にもパラパラと挙がってきているので、その点については対応しつつ、今後も都度アンケートを取って少しずつ改善していくという作業は行っていきたいと思っています。

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Pick Up  “ここが、ウエディングパークらしさ“

■社内制度創出コンテスト「せどつく」
「せどつく」とは“制度を創る”の略で、年に一回行われる新入社員を対象にした社内制度創出コンテストのこと。3~4人のチームが複数組まれ、チームごとに全社員の前で役員へ向けてのプレゼンが行われるそうだが、どんな提案が出て来るかわからないため、年に一回行われるこのコンテストを皆楽しみにしているのだとか。
ちなみに、2014年に入社した新入社員から出たアイディアを基に2015年4月に制度化されたばかりの新制度「8活(はちかつ)」は、朝8時までに出社をすることで各社員にポイントが付き、全社員の合計ポイントが一定数貯まると焼き立てパンやフルーツなどの朝食が振る舞われる“朝活パーティー”が開催されるというもの。この制度は朝の時間を有効活用し、業務の生産性を向上させ、社内コミュニケーションを活性化させることを目的としており、4月20日に行われた第一回目の“朝活パーティー”は大盛況だったようだ。
この「8活(はちかつ)」は「せどつく」開始以来3つ目の制度ということで、その他の2つの制度についても非常に同社らしい制度になっているので、是非ご紹介したい。

【「せどつく」から生まれた新制度】
・祝って22(ふうふ):結婚記念日(1周年、10周年、25周年)でお祝い金を 2 人分付与する制度。(※第一回目)
・家族へありが10(とう):自分の家族へ感謝の気持ちを伝える特別休暇(1日)が取得できる制度。(※第二回目)

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Creator’s Eye  株式会社ヴィス / デザイナーズオフィス事業部 小倉麻美氏

今回ウエディングパーク様からいただいたご要望は、まず絶対条件として110名を集約することでした。その他、「ビジョン」「経営理念」を表すデザインやブライダルに携わる会社らしい、清潔感のある印象を与えたいというご要望もいただきました。
これらのご要望に対し、弊社ではディスカッションを重ね、「プロヴァンスのカフェ」というコンセプトを導き出しました。そこで、石積みの壁やライムストーンの床など、南仏の町並みをイメージしてデザイン、ゾーニングを行いました。
作業を進める上で最も悩んだ点は、“ウエディングパーク様らしさ”をオフィスから感じられるようにすることです。照明、素材や細部のデザインまでこだわり、従来のイメージを踏襲せずに、新しい表現方法でブライダル感を表現しました。各会議室はオフィスらしさを極力排除し、壁は漆喰のコテ仕上げ、廊下との壁には窓を付けるなど、住宅の要素も取り入れています。
家具の選定についても、繰り返し打ち合わせを行いました。ウエディングパーク様にも多くの家具のカタログをご覧いただき、妥協をせず、こだわり抜いて選定を進めました。素材感を大切にするため、マテリアル選定には特に気を遣っています。
初回提案でも家具のご提案をさせていただきましたが、そこから繰り返し行われた打ち合わせの中で一転二転を繰り返し、完工の1か月程度前に全ての選定を終えました。
完工後、最も喜ばれた点で言うと、ウエディングパーク様からは「全て」と仰っていただきました。私たちヴィスのメンバーは、お客様目線を大切にしています。「相手の立場に立ち、如何に喜んでもらえるかを常に考え行動する」という項目もクレドにあり、社員全員の共通意識です。そこから生まれてくる“ホスピタリティーの高さ”が、良い結果に繋がっており、デザイン性だけでなく、一緒にお仕事をさせていただく中で「全て」喜んでいただける所以なのだと思います。

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