インテリジェンス ビジネスソリューションズの“はたらく楽しさ”を作るオフィスと働き方

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株式会社インテリジェンス ビジネスソリューションズ
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株式会社インテリジェンス ビジネスソリューションズ

「はたらく楽しさを、いっしょにつくる。」というスローガンを基に、総合人材サービス企業インテリジェンスのグループ会社として、まず、“自分たちが働くことを楽しめる組織作り”に注力する、『株式会社インテリジェンス ビジネスソリューションズ』(以下IBS)。ITと技術だけでなく、業務効率化、人材ノウハウと共に三位一体のサービスで日本の雇用や採用、働き方を変え、働く楽しさを実感できる環境を目指す。1977年創業以来、現在豊洲本社、海浜幕張、大阪、札幌、仙台の五ヶ所を拠点にビジネス展開している。目まぐるしい技術革新と共に、クライアントを取り巻く環境変化へ対応するため、より「ヒト」が楽しく働くためのモチベーション向上に努めている。
2013年7月に現在の豊洲に大規模な本社移転を遂げた同社の、社員が働く楽しさを見出せるようなオフィス環境とは一体どのようなものだったのか。移転プロジェクトを担当した、グループ企業であるテンプホールディングス株式会社のファシリティマネジャー槌井紀之氏よりお話しを伺った。

なぜオフィス環境に投資したのか

2010年12月に現在のIBSが浅草橋へ移転し、そこから約2年半で現在の豊洲へと本社を移転。この移転のきっかけになったのは、当時グループ会社と二拠点になっていたところを一カ所に集めて、会社を一つにしようという「組織融合」の話だった。そんな同社がオフィス環境に投資する理由、そして移転の際のプロジェクト組織編制から場所→オフィス選定までの経緯とはどのようなものだったのか。

槌井氏:今回の経緯として、「オフィス環境を活用させて組織融合を促進させる」という大きな目的があったんです。そのためのオフィス環境作りが課題となりました。ワークプレイスは企業側としては投資装置であり、社員としては働く場としての環境装置という、二面性があると思うんです。もしも社員が一人で作業をするのであれば、はっきり言ってわざわざこれだけの投資をする意味はありません。それはオフィスに来なくても充分にできます。一人以上のワーカーが協業を通じて生産価値を高めるのが、今オフィスが果たすべき機能であると思うからです。
どのような組織融合だったかというと、豊洲移転以前は、新宿と浅草橋に、ITアウトソーシング行う会社とSI事業を行う会社が別々にありました。その時点で、2社の連携はほぼありませんでしたが、運用・保守からコンサル・システム開発までを一貫して行える会社を立ち上げることになり、2社を統合、2013年4月、新生IBSの誕生となりました。
場所の候補としては色々と条件が上がりましたが、IBSの社員のほとんどはお客様先に常駐して業務を行っているので、お客様のオフィスに近い場所であること、そして、社員が帰社したいと思える場所という切り口で考えました。今後の企業としての成長と発展を支えられる場所という点を加味し、最終的には豊洲もしくは中野を選択肢として選びました。その後、豊洲を選んだ理由は、将来の事業成長を支えることが出来る拡張キャパがあることと、土地の将来性を考えた際に、家賃の上昇リスクを低減できることです。また、豊洲は大手のIT企業さまもオフィスを構えており、将来的には肩を並べられるような存在になりたいという気持ちも込めています。
移転推進の体制としては、私が在籍するファシリティマネジメント専門の組織にてプロジェクトリーダーを立て行いました。設計に関しては、以前も何度か一緒にプロジェクトを行ったことがある株式会社丹青社の安本直紀さんにお願いすることになりました。

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オフィス環境変革後の変化や反響

移転先が豊洲に決まってから2012年10月ぐらいには移転プロジェクト体制が組まれ、実際半年ほどで社員約2千名を動かす大移動となった。約一年半が経過した現在のオフィス環境は、社員の働き方にどのような変化をもたらしたのだろうか。

槌井氏:社員から聞く声としては、100坪ものスペースを使い作った「クリエイティブベース」の稼働率は非常に高いとのことです。予約不要なオープンスペースであることや、仕事のシーンに応じて使い分けることができるスペースが多数あることで、生産性が高まり、また社員同士のコミュニケーションも活発になったと聞いています。特に女性社員や面接に訪れた採用候補者さんからの評判が良く、採用への貢献度も非常に高いようです。また、事業部等で開催される飲み会は移転以前は外のお店で行っていましたが、今は「クリエイティブベース」を使用することも多くなったようです。一角に作った「バーカウンター」スペースを上手に使い、隔週でお酒を楽しめる“アルコミュニケーション”と呼ばれるイベント等も開催するなど、社員がオフィス空間を活用し、何か出来る機会を積極的に見出してくれているように感じます。お客様先で常駐する社員にとって、帰社したい、帰社しやすいように、定期的に社内交流イベントを企画しているのです。
そして、今はスペースが課題となりできないことは何もないと聞きました。今は社員だけでなく地域の方々との交流も生まれているそうで、想像以上にフレキシブルに使われているようで嬉しいですね。特に社員にオフィスコンセプトや使用ルールを説明したりはしていないんですが、ルールがなくても感覚的に皆が空間を使えているようです。「はたらく楽しさを、いっしょにつくる。」ということがビジョンなので、社員やクライアント、地域の皆さんと楽しさを作っていきたいというコンセプトを実現できているかなと感じます。

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『イノベーションカフェ』のあるオフィス空間

オフィス内にワンフロアで開放感のあるカフェのような空間を作った同社。この空間は、新しい価値を生み出す基地にしようという意味で「CREATIVE BASE」と名付けられており、『イノベーションカフェ』はその中央に設けられている。提供者のエゴばかりでなく、あくまでユーザー目線で設計者に意図を伝えることを意識したという槌井氏。半ば実験的要素の強い今回のオフィス設計の意図とは。

槌井氏:設計という領域では安元君と一緒に考え、意匠デザインとして安元君が具現化してくれました。コンセプトは、「自分たちが働く場所を目的思考で選べて、生産的に働くことが出来るオフィス」でした。社員が自主選択型の働き方をできるようにしたかったんです。例えば、これまでももちろん協業の場面はありましたが、「複数人で集まる=会議室の予約をしなくてはならない」だったので、まず「脱・会議室」に変える必要がありました。予約をすることで行動が規制されることが、非常に生産性が低いと思ったので、ノンリザーブ型にしようと考えました。協業と言っても、複数人で情報を共有する場面があったり、議論をする場面があったり、フランクにコミュニケ―ションを深めるシーンがあったりと、目的に応じて変わると思うんです。シーンに応じた色々なタイプの空間を作って選択肢を増やせば、「何が目的で、それを実施するにはどこが最適なのか」を自然に考えるのではないかと。ワーカーがファシリティに制限されながら行動するのではなく、自分たちの行動に合わせて最適なファシリティを活用してほしいのです。私たちはそうしたファシリティを提供し、ワークスタイルを変えていくべきだと思います。
そこで、「イノベーションカフェ」という空間を設定しました。オフィスの中心に非日常を持ち込み、新しい働き方を通じイノベーションを起こしてほしいという意図で名づけました。それ以外のスペースにも、社員に何をして欲しい場所なのかという視点で名称を付けました。例えば、同じ目的を達成するために集まる社員が利用しやすい「プロジェクトシェルター」、社員同士のコミュニケーションを活性化するために使用できる「コミュニケーションラウンジ」、少人数で情報共有がしやすいよう固定モニターが設置されたボックス型の「レストランスペース」などがあります。
また、場所を選んだ際にスピーディに業務がスタートできるよう、プロジェクターやモニター等のレンタルが可能な「サポートデスク」を設けました。
一方、執務スペースにおいては、装飾等は最小限に留めています。執務スペースと「クリエイティブべース」を対照的な空間にしたかったのです。この執務スペースでは550名程の席があるので、誰がどこにいるか分かるようにという目印変わりに、唯一柱にデザインを施しました。ワンフロアの構造を活かして区切りのない空間にし、執務スペースの中にも可動式の「クイックミーティングスペース」や「コラボスペース」を何ヶ所かに設けました。「コラボスペース」はパーティションがホワイトボードになっているので、人数に応じて自由に対応できるようになっています。

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今後取り組みたいオフィス環境作り

移転から一年半が経過した現在も、オフィス環境を通じた社員の働き方改革は日々促進しつつあるようだ。社員が働き方を選べる同社のオフィス環境の今後の展開について伺った。

槌井氏:現在「クリエイティブベース」は、社員のみ使用できるエリアとお客様との打ち合わせエリアを分けて使用しています。移転当初は緩やかに線引きをして使用していたのですが、守秘義務を伴う業務も多くあるため分けざるを得ない状況のため2014年の秋からルール化し実施しています。ただ、お客様との打ち合わせにおいても守秘義務を伴わないものもありますので、今後は外部の方との接点も増やせ相互で刺激し合えるような空間づくりの必要性も感じています。また、IBSはIT企業ですので、ホワイトボードとPCの連動など、ファシリティの活用にも力を入れていきたいと思っています。
そして、今後は社員が何のためにオフィスに来るのかを見出せるよう、生産的に仕事を最大化できる環境を作っていくことが目標ですね。ワークスタイルの変革が最終目的であって、ワークプレイスに凝ることが僕たちの目的ではありません。働き方が多様化すれば、自ずと働く場所も多様化していくと思うので。デザイナーズ家具が並んだ、見た目のオシャレさだけにこだわればいいということでなく、実際にどのような働き方をしているのかをもっと観察していかなければいけないと思っています。このオフィスが最終形ではありませんから。

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Pick up  ここが、“インテリジェンス ビジネスソリューションズらしさ”

IBSでは「88推進グループ」という、はたらくを楽しんでいる社員を88%にするために誕生した専門組織がある。人事制度からイベントに至るまで様々な角度からアイデアを出し合い、社員一人一人が輝ける環境作りに取り組んでいるそう。その仕組みから3点をご紹介。

■「アルコミュニケーション」
他プロジェクトや他部署の社員ともコミュニケーションを取ってほしいという思いから始まった、隔週水曜日に、Barスペースで開催される飲み会。会社からアルコールと軽食が無料で提供され、活発なコミュニケーションが生まれる人気イベント。
■「ランドセルの会」
来年度小学生になる子供がいるご家族をオフィスの招待し、ランドセルや地球儀などを会社からプレゼントする会。社員と会社のみのつながりではなく、家族と会社のとのつながりも大切にしている。関連して「ファミリーデイ」という、家族がオフィスに遊びに来れるイベントも年に数回用意している。
■「夏休みプログラミング教室」
2014年8月、IBSとしては初となる周辺地域の子供たちを招いてのイベント、プログラミング体験教室が行われた。未来を創る子供たちにも、ITの楽しさや働く楽しさを知ってもらいたいという思いから実現に至った。イベントは全て社員の手作りで行われ、参加者の反響も大きかったのだとか。

 

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Creator’s Eye  株式会社 丹青社 / デザイナー 安元 直紀氏

安元氏:今回は“働き方が選択できるように”ということと、“組織統合”という二点を軸に 『FUN FAN CHOICE OFFICE』というコンセプトを挙げました。働くことが楽しく、会社を好きになってもらえる(FAN)ような空間であり、なおかつ機能的(FUNCTIONAL)で生産性を上げられる、
社員の方々が働き方を自由に選ぶこと(CHOICE)が出来る空間をご提案させて頂きました。大きなポイントとして「拠点を一つにしたい」というご要望があったので、エンジニアの方々が帰社しやすい環境を整えるという課題がありました。そのために、「カフェ」のように利用できる場所をオフィスにプラスしました。あまり顔を合わせない社員同士が、仕事やプライベート関係なく、気軽に交流や情報交換できる場を「カフェ」に仕立てることで社員の帰属意識や仲間意識を高められるのではないかと考えました。
『クリエイティブベース』は可能な限り広く、間仕切りのない空間にしています。これによって社員が共有利用できる床面積をより多く確保し、一人ひとりのワークスタイルの自由度を向上させることができました。同一空間で、複数の人が複数のことをするという提案に対して、社員の方々から挙がってきそうな意見を想定し、実際にそれらを成立させるためにはどうしたらいいかを考えました。そこで大空間の中央を少し床上げしました。目線のレベルを変えることで、空間的に繋がりはあっても壁をつくらず、隣同士である程度仕切ることができます。あえて視線が合わないように全体をデザインして、同時に複数の人がしっかりと仕事に集中できる環境を構築しています。また、レイアウトにメリハリをつけないと家具のショールームのように見えてしまうので、ソファ席や一人で集中できるスペース、ブース席、バーエリアなど、“目的”によって分かりやすく選べるようなスペースを考えて設置しました。出入り口にバーエリアやスケジュールボードを設け、気軽な会話ができて社内イベントがすぐに目に入ることで帰属意識を高めて頂けたらという運用面での意向も反映させています。
家具の選定ポイントは、執務エリアとはできる限り対極に、彩りや遊びのある雰囲気にしようとしたことです。個人的にも華やかな感じは好きなので、その要素も少し取り入れました(笑)。機能性はもちろん伴わせながら、一つ一つは独立しているけれど全体の統一感が出せるように、見た目の感情に訴える部分にもこだわってトータルコーディネートしました。また、全体的にコストパフォーマンスも意識しました。デザイナーズ家具だけが良いという訳ではないと思いますし、日々使う物なので耐久性や機能性も大事ですよね。あとは社員の方が自慢したい、紹介したいと思える空間にしたいとも考えましたね。エントランスからみえる会議室の扉のカタチはロゴをモチーフにしています。ちょっとしたことですが、お客様が来社されたときに会話のきっかけになれば、と狙った遊び心のデザインです。
今回のこのIBSさまのオフィスは、どの会社にも当てはまるという訳ではないと考えています。IBSさまの“働き方”に合わせて設計をしたので、オンリーワンのオフィスができたのではないかと思います。また、デザイナーは今後、“ツール”にも精通してゆく必要があると思います。特にIT業界は変化が激しいので、もっとこちらも勉強していかなければと思います。ITの技術革新が目覚ましい中、新しいコミュニケーションツールの可能性がますます広がっていくのが楽しみです。新しい技術も活かしながら、同時にリアルな空間での人のつながりを大切にできるデザインを心がけたいと思います。

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