恋愛ドラマアプリのリーディングカンパニー、ボルテージがこだわるクリエイターのためのオフィス

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株式会社ボルテージ(Voltage Inc.)
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株式会社ボルテージ

アートディレクターの新谷有紀さま(左)と、森井理詠さま(右)

戦国武将と命懸けの恋物語が楽しめる「天下統一の乱~Love Ballad」、嘘つき男を見抜いて運命の恋の相手を探し当てる「ダウト~嘘つきオトコは誰?」など、テレビCMでもおなじみの恋愛ドラマアプリの開発を手がける株式会社ボルテージ
1999年モバイルコンテンツ企業として創業し、2006年に最初の恋愛ドラマアプリをリリースして以来、モバイル恋愛ゲーム分野のリーディングカンパニーとして次々とヒット作を生み出してきた。年商約100億円、80タイトル以上のコンテンツを配信。

そんな同社が2016年7月、本社を置く恵比寿ガーデンプレイスから程近い場所に、サテライトオフィスを開設。デザイン部門と新規モデルの開発を行うボルラボ部門、そして設立したばかりの子会社「株式会社ボルモ」を本社から移した。むき出しの天井に木やタイルを組み合わせた新しいオフィス空間は多彩なアーティスト達が集うニューヨークのアトリエのような雰囲気。白を基調とした本社オフィスとは大胆に趣きを変え、新しいアイディアを生み出すためのクリエイティブなオフィスを目指したという。
オープン1週間後のオフィスをたずね、移転プロジェクトのリーダーを務めた辻本義雄さま(デザイン本部長)と、現場を担当した新谷有紀さま(デザイン第1グループ アートディレクター)、森井理詠さま(アニメーショングループ アートディレクター)に、新しいオフィスのこだわりや実践してほしい働き方など、さまざまなお話をうかがった。

なぜオフィス環境へ投資したのか

新しいオフィスと恵比寿ガーデンプレイスにある本社の間は徒歩約5分という近さ。この場所にクリエイティブセクションであるデザイン部門を移転させた理由、どのような働き方の変化を狙っているのかなどをたずねてみた。

――新しいオフィスをつくった理由を聞かせてください。
辻本:
私達ボルテージはモバイルアプリのオリジナル開発をしているメーカーで、特に恋愛ドラマアプリを主力コンテンツとしています。コンテンツ制作のなかでも、独自の空間演出で、よりクリエイティビティを高めるため、デザイン部門をいったん外にだしてみようと、新しいオフィスをつくることになりました。このオフィスで働くのはグラフィカルユーザインターフェイス(GUI)のデザイナーで、ほとんどが女性。操作ボタンなどのグラフィックやアバターなどのデザインをしています。アニメーション部門も含めると、今現在ここに56名(2016年9月1日現在)が働いています。

今回、社長から課せられたミッションは、「本社とは異なるデザインセクションらしいオフィス空間にすること」「本社との行き来によって新たなコミュニケーションを創出させること」の2つでした。この2つ以外はかなり自由に任せてもらえましたね。デザイナーが働く場なので、オフィスもクリエイティビティな空間を目指しました。

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デザイン本部長 辻本義雄さま

――本社のすぐそばにつくられていますね。
辻本:
私達はオリジナルコンテンツのメーカーなので、基本的に社外からの仕事を請けることはありません。デザイナーのクライアントは社内の人間で、打ち合わせも社内のスタッフ同士でするのがほとんどです。ですので、朝出社すると、一日中こもりきりの状態になってしまいがち。経営陣もそうした勤務状態を懸念してか、ちょっと離れた場所にオフィスをつくることであえて外出する機会をつくろうとしたかったのです。

本社との間は、坂をちょっと上り下りするくらいのわずかな距離ですが、その間に行き来が生まれ、散歩がてら街を歩いたりもできます。社内ミーティングで、私達デザイナーが本社に行ったり、本社の制作ディレクターがこちらに出向いてくることもあります。最初のうちは本社の社員が新しいオフィスを見に来たがりますし(笑)。そうしたことから、狙い通り新たなコミュニケーションも生まれています。同じ恵比寿でも、本社は高層階、こちらは低層階なので窓から見る景色も人の流れもぜんぜん違うんですよね。

森井:
ガーデンプレイスの周辺は高級感があり、こっちは昔ながらの飲食店やカフェなど小さい店がいろいろあって生活感がある感じ。街の雰囲気も違います。

新谷:
まだ引っ越して一週間なので、往復の途中で立ち寄る店はコンビニくらいのようですが(笑)、お気に入りのカフェとか見つけてもらいたいですね。

 

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新しいオフィスのコンセプトとこだわり

デザインコンセプトはブルックリンスタイル。スケルトン天井の無機質さと木の家具がもつ温かみなど、相反する要素の融合的なコントラストがクリエイティブな空間を生み出す。コンセプトに至った経緯とは。

――コンセプトがブルックリンスタイルになった経緯やこだわりを教えてください。

新谷:
私はこのプロジェクトの話がきたとき、「マイ・インターン」という映画にちょうどハマっていて(笑)、「こういうおしゃれなオフィスで働きたい!」という個人的に強い思いがあったんです。映画のオフィスを頭のかたすみに描きながら、理想のオフィス空間を調べていると、おしゃれなオフィスでは、使っている家具が木製だったり、レンガやモルタルを活かしていたり、黒と白の色使いを効果的に使っていたので、そういった空間要素を取り入れていますね。

森井:
デザイナーとしては、“造り手が働いている”という雰囲気のある、こだわりを感じさせる空間で働いてみたいという思いがありました。他のデザイナー達も同じ思いを持っていたので、皆には「絶対におしゃれなオフィスにするからね!」と伝えていました。

辻本:
世界をリードするクリエイターやアーティストが活動する場といえばニューヨーク、ソーホーやブルックリンのイメージが個人的にはあって。建物は古くても新しいデザインを取り入れ、若いクリエーターが働いているような、おしゃれな空間にしたいなと思っていました。また、本社の空間はわりと均一なので、こっちは無機質な素材と天然素材のコントラストがあると面白いかなと。二人が提案してくれた空間イメージもほぼ共通していて、コンセプトはブルックリンスタイルに決まりました。

――細部にもいろいろこだわりがありそうですね。

辻本:
ワーキングデスクをはじめ家具のほとんどが造作家具。木目調のワーキングデスクや会議テーブルの天板はアートワークで疲れた目には視覚的に優しく、癒しの効果もあるのではないでしょうか。

森井:
ワーキングチェアはエルゴヒューマン社のオールメッシュチェアです。長時間座って作業するので使いやすく疲れにくい椅子を選んでいます。

新谷:
カーペットにもこだわりました。はじめはモルタルの質感を床にも取り入れたくて、カーペットをはがしてむき出しにしてはどうかとも話していたのですが、設計会社さんからそれだと足音が響くとアドバイスをいただいたのですが、一般的なカーペットにすると雰囲気が壊れそうだったので、モルタル風のカーペットを敷きました(笑)。会議室は壁面を特殊加工してもらって、壁の一面に文字が書けるようにしています。会議中に皆でアイデア出しをしようということになっても、いっせいに書けます。

森井:
ワーキングデスクはロングタイプの天板。一人あたりのデスク幅は左右120cmと標準的ですが、パソコン本体を床に降ろしてモニターだけ机上に置いています。また、足元に圧迫感が生まれるのは避けたかったのでデスクの袖机は設置せず、そのかわり個人用のロッカーを用意しました。

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反響と新しいオフィスの働き方

竣工前には、これから過ごす新しいオフィスに愛着をもってもらおうと、タイル張りイベントを実施。タイル裏にメッセージを書き込み、皆でフロア内の柱などに張ったという。クリエイティビティを刺激する空間、使い勝手にも細やかな配慮を施したオフィスに、どのような反響が寄せられているのか。

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タイル貼りイベントの風景

――従業員の方からの反響はいかがですか?

森井:
今のところ皆、喜んでくれていますね。

新谷:
外に出るのは面倒と感じる人もなかにはいるのでちょっと心配していたのですが、そういう声も聞きません。むしろ、こもりきりになりがちの仕事なので外出の機会があることを前向きに受け止めてくれているみたいです。打ち合わせにも元気に出かけてお散歩して帰ってきてくれているようなのでよかったです。

森井:
往復の道だけでなく、窓際のソファのあるスペースでも適宜息抜きしてほしいですね。皆ずっと机のパソコン画面に向かって一生懸命お仕事してくれているから。

新谷:
今回、私は新しいオフィスをつくるにあたって、デザイナーの皆にもっとおしゃれして働いて、感性を磨いてほしいという思いもありました。きれいなオフィスになれば、おしゃれしてみようという気分になってくれるので、それがデザイナーとしても感性を磨くことにつながるかなと。

また、単に身なりだけでなく、そうした装いに向けた意識が、デスクをきれいに保ちながら働くことにもつながって欲しいです。見栄えを良くしたり、働くスペースをきれいにすることは、デザイナーにとって結構大事なんです。そういう働き方をすることで創り出す作品にも、より説得力が生まれるんじゃないかなと思います。

森井:
新しいオフィスに引越したのを機に、週1回のお掃除タイムを導入しました。これまではお掃除というと入社1年目が中心になってするパターンが多かったのですが、ここでは先輩も後輩と一緒に。背の低い人はデスク周り、背の高い人はペンダントライトのほこり取りなど、それぞれができることをしてくれています。こういったお掃除の習慣が自分達のオフィスをきれいに使おうという意識につながっていけばうれしいですね。

――この新しいオフィスで今後してみたいこと、伝えたい良さなどを最後に。

森井:
今のところはまだスペース的に余裕があるので、そういう空間をうまく活かしてプロジェクションマッピングを投射してみるなど、自分達でできそうな面白いことを探していってほしいですね。あとハロウィンイベントはしたいねと話しています。ガーデンプレイスの本社オフィスでもハロウィンイベントはしていますが、ここは飾り栄えがある空間だから楽しみ。

新谷:
カウンターのスツールに腰掛けて打ち合わせをしている人たちの様子をソファに座って眺めていると、どこかの街のカフェにいるみたいな気分になります。打ち合わせの様子すら絵になってしまうというか(笑)。やっぱりきれいで格好良いオフィスで働けるのはクリエイターにとって日々の創作活動に大きく影響するんだなって感じています。

 

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サテライトオフィスのオープニングパーティ

【Pick Up】 “ここが、ボルテージらしさ”

株式会社ボルテージ提案会の風景

 

① 提案会
社員が持ち回りで担当業務の改善案を発表。 内容をA4一枚にまとめ、社長や役員にブレゼンテーションを行います。 若手社員の課題解決スキル、実行リーダーシッブを身に付ける トレーニングに繋がっています。

② エンタメ早退制度
3か月に1度、エンタメ鑑賞のためなら、17時以降の早期退出を認め、業務として扱います。良質なインプットをすることで、普段のコンテンツづくりに活かしております。

③ Myプロジェクト
月間勤務時間の10%程度を、社内での共同研究や個人チャレンジの時間に充てることができます。普段の業務とは違うジャンルにチャレンジでき、新規事業に結びつくプロジェクトを進めていきます。

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企業情報
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  • 会社名 株式会社ボルテージ(Voltage Inc.)
    URL http://www.voltage.co.jp/
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