アーティストゥリー・メディアの明るく開放的な環境で作品制作に没頭できるオフィスと働き方

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株式会社アーティストゥリー・メディア
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株式会社アーティストゥリー・メディア

映画作品やテレビ番組の映像編集、音楽制作、サウンド・ミキシングなど、多様なエンターテインメント事業を手掛けている『株式会社アーティストゥリー・メディア』。これまで渋谷を拠点に事業を行っていたが、2011年12月、自社で運営している編集スタジオと共に東京都港区・西新橋にあるマストライフ西新橋ビルにオフィスを移転。2014年には、新たに「株式会社アーティストゥリー・デザイン」を立ち上げ、同じビルの1階で上質なコーヒーを味わうことができる「Artistree CAFE」の運営を始めるなど、幅広く事業を展開している。そんな同社は移転に伴い、自社で運営するスタジオ「ArtistreeMedia EAST」の環境を一新し、非常に快適な理想の空間を創り上げた。今回はそのスタジオ空間に焦点を当て、そこに反映されているこだわりや哲学について、移転プロジェクトを主導した同社取締役で、演出・音響監督・音楽プロデューサーでもある百瀬慶一氏にお話を伺った。

なぜオフィス環境へ投資したのか

2011年12月に稼働を開始した同社の新たなスタジオ「ArtistreeMedia EAST」。スタジオと呼ばれる施設は一般的に地下にあることや窓が無い閉鎖された空間であることが多いが、同社のスタジオはビルの9階に設けられており、開放的な窓から明るい自然光がたっぷりと差し込み、従来のスタジオの暗いイメージを覆すような空間に仕上がっている。こうしたスタジオ環境は、“明るく快適な作業環境を提供したい”という百瀬氏のこだわりに基づいて整備されたという。そんな現在のスタジオができるまでの経緯について伺った。

百瀬氏:私たちは映画やテレビ番組の映像編集をはじめ、音楽や効果音など、エンターテインメントのソフト全般の制作を手掛けています。私自身は音楽プロデューサー、あるいは音響監督として、映画作品などの音楽や音響効果といったサウンドに関する業務に携わっています。私自身が映像や音楽制作といったエンターテインメントの仕事が好きで、そうした活動をするうちに次第に仲間が増えて、今の会社ができていきました。これまで何度か社名が変わっているのですが、2010年から現在の「株式会社アーティストゥリー・メディア」という名前で活動しています。以前は渋谷にスタジオを構えていたのですが、2011年12月に現在の場所に移転しました。
一般的にスタジオは専用設備や機材のことを考慮し、地下や建物の1階にあることが多いのですが、当社の今のスタジオはビルの9階にあります。社内のスタッフたちも当初は、「今度のスタジオは上にあるんですか?」という反応でした(笑)。こうした環境にスタジオを構えた理由としては、作業を行う各ブースから出た際に明るい光を感じられるようにしたいと考えたからです。ブース内は映像の色味をしっかりと見極めなくてはならないので、どうしても暗い空間になってしまいます。また、繁忙期は泊まり込みで作業をすることもありますので、少しでも気持ち良く作業に打ち込んでもらえるように、開放的な窓があって自然光が入る明るい空間にこだわりました。
今のフロアには、映像編集用のブースが4部屋、またナレーションルームを備えた音響用ブースが1部屋設けてあります。加えて、エントランス付近には自由に利用していただけるラウンジスペースも用意しています。こちらも移転にあたって作りたかった空間でした。ラウンジについては、“スペースがもったいない”“作業ブースがもう1部屋作れるのでは”という意見もあったのですが、やはり仕事をする上で快適な環境を提供するために設置しました。最初の設計段階では、ビルの外側に各ブースを設け、建物の中央部をラウンジスペースにする案が出たのですが、ラウンジは外の景色を見て休憩や気分転換できるようにしたかったので、すぐに修正しました。
スタジオ空間は、アメリカ西海岸にあるロサンゼルスやサンタモニカなどの街をイメージしています。ビルの1階には2014年にオープンした当社が運営するカフェ「Artistree CAFE」があるのですが、そこの内装も西海岸の雰囲気をベースにしていまして、デザイン的にも下の店舗と繋がるようになっています。やはり世界的に見ても映画や音楽の中心地と言えばロサンゼルスになりますし、私自身も昔住んでいたことがありまして、あの西海岸の雰囲気がクリエイターとしての感性にしっくりくるように感じます。

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オフィス環境変革後の変化や反響

スタジオ内での作業は往々にして長時間に及び、その間室内にこもりっぱなしということもある。そうした状況を少しでも緩和すべく、同社は作業スペースである各ブースに加えて、外の景色を眺めながら美味しいコーヒーが味わえるラウンジスペースを設けるなど、より良い環境作りに注力している。そうした取り組みは、スタジオの中で作業する利用者からも好評だという。今現在のスタジオ環境に対する反響とは。

百瀬氏:今のスタジオの反響はかなり良いと思います。これまでのところ、不満のご意見は聞いたことがありませんね(笑)。他のスタジオに行かれると分かると思いますが、多くのスタジオは地下にあって自然な光が感じられない環境で、長い間作業に没頭しているとどうしても暗い雰囲気になりますし、日の光が感じられず時間の感覚も分からなくなってしまいます。今の場所は作業ブースから出れば太陽や夜の星の光が感じられます。そのため好きなタイミングで気軽に気分転換ができますので、リラックスして使用してもらえているようです。また、そうした環境だけでなく、スタジオ内の機材も最先端のものを導入しており、使いやすさも含めて非常に好評ですので、一度当社のスタジオを利用された方はその後もリピートして来られる方が多いですね。
ラウンジスペースもよく活用していただいています。普段は様々な機材が置いてあったり、仮眠されている方がいたりして、雑多な状態になっていることが多いのですが(笑)。長時間室内で作業をしていると、良いアイデアも出にくくなり気持ちの上でも沈んでしまいますが、あの空間で外の景色を眺めながらコーヒーを1杯飲むだけでも心理的にリフレッシュすることができます。また、デザインとして統一感のある空間になっていますので、あの場所自体をインタビューなどの撮影に使いたいと言われることもよくあります。

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空間に対するこだわり

クリエイターとしての感性を持って、スタジオをはじめとする空間作りを進めてきた百瀬氏。本業であるエンターテインメントのコンテンツ制作に関しては、当然作品のクオリティーを追求しつつも、そこに作り手の意志や意図を感じさせないようにすることが百瀬氏の哲学だという。今のスタジオ環境も、こうした百瀬氏のクリエイターとしての哲学が見事に反映された空間に仕上がっている。

百瀬氏:これまで長い間エンターテインメントに携わってきた私自身の基本的な考え方として、お客様に様々なコンテンツを提供する上で、作り手である私たちの痕跡を感じさせない方が良いと考えています。そのため今のスタジオ環境にしても、利用される方が自然に空間に入り込んで、そのまま作業に集中して、気持ち良くスタジオを後にしてもらえればと思っています。過剰なデザインに圧倒されてしまうような空間というのは、個人的にはあまり好みませんね。
私の本業であるサウンド関連の分野でも、「あの音良かったね」とお客様に言われたら、ある意味“負け”だと捉えています。もちろんクオリティーの高いものを追求してご提供していますが、それが変に突出することなく、映像などを含めて全体として違和感がなく調和するような作品づくりを心掛けています。作品を見てもらったお客様には、全体として「楽しかったよね」と言ってもらえることが一番ですね。そういう意味で、スタジオの環境も日常の延長線上にあるような、“自分の家”と感じてもらえるぐらい自然な空間が作れればと思っています。そうした違和感のない環境でありながら、実際には空間として非常にハイクオリティーな場所であるという、そうした部分は今後も追求していきたいですね。

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今後取り組みたいオフィス環境づくり

同社は今後もクリエイターの感性を大切にしながら、利用者が作業に“没入”できるようなスタジオ環境を目指していくという。エンターテインメントを提供する側として、スタジオをはじめとした環境面に関してもしっかりと妥協せず、今後もクオリティーの高い作品づくりに還元していく。

百瀬氏:テレビ業界や音楽業界は現在、機材に関して過渡期に当たる状況で、今はハードの更新に動きにくいところがあります。テレビ放送では、総務省を中心にフルハイビジョンの次の規格となる4K放送の開始が計画され、更には8K放送という構想もある中で、どういった機材がスタンダードになっていくのかがまだ読めない状況ですので、ハード面に関しては当面、現在の設備を維持したいなと考えています。
機材を中心としたハード面はそうした状況ですが、今のスタジオを使ってもらうにあたって大切なことは、クリエイティブな気持ちになってもらえることが一番だと思っています。クリエイティブな気持ちに加えて前向きになれたり、あるいは時間を忘れるほど作業に集中できたり、そのように感じられる場所を提供したいですね。その上で、変にテンションが上がったり下がったりするのではなく、あくまでリラックスした状態を維持できる自然な空間を目指しています。スタジオという空間は非日常の場所と言えると思いますが、一方で人はまるっきり知らない空間に入れられると違和感を覚えますよね。ですので、馴染みやすい場所にしつつも、どこか新鮮な気持ちになれる、そんな空間を実現できればいいかなと思っています。
例えば、エンターテインメントとして映画を観に行った場合、それは非日常的な体験になるわけですが、映画を見ている間は自分の現実として楽しめるくらい空間に入り込んだりしますよね。あるいは音楽を聴いているその間だけは、その音楽の世界に没入できたり。テーマパークに遊びに行った際も、そこは非日常な場所ですが、敷地内に入るとその世界観に没入できますよね。それはアトラクション自体が面白いということだけではなく、周囲にある様々な要素や仕掛けによって演出されているものです。やや語弊がある言い方かもしれませんが、来られた方がその空間に没入できるように、ある意味でコントロールされているものです。ただ、そうした配慮がないと、やはり人は非日常の空間に違和感を覚えてしまうと思います。ですので、そうした細部にまでこだわることでスタジオに来られる方々が違和感なく、自然に入り込めるような空間を作ることができればと考えています。

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Pick Up  “ここが、アーティストゥリー・メディアらしさ”

■細部までこだわりが反映されたスタジオ
「アーティストゥリー・メディア」が運営するスタジオ「ArtistreeMedia EAST」は他の一般的なスタジオとは異なり、ユーザーのことを考えて細部にまでこだわりが反映されている。スタジオ内には映像編集室2ブース、デジタル編集合成室2ブース、ノンリニアワークルーム1ブース、またレコーディングブースを備えたミキシングルームを完備している。レコーディングブースはスペースが余ったため社内用に設置したものだったが、利用者から好評だったため、今では外部にも貸し出しているのだとか。9階からの景色を眺めることができる窓ガラスも紫外線を98%減少するUVカットタイプのものを使用し、利用者はもちろん機材やテープ類への影響も配慮している。
同社ではスタジオの外部レンタルにも随時対応しており、スタジオ利用の詳細・問い合わせは03-5733-1012まで。

■クオリティーを追求するクリエイティブ集団
「アーティストゥリー・メディア」ではスキルのクオリティーにこだわり、世界スタンダードの技術を習得するため、社員教育にも力を入れている。スタッフの中には、映画やテレビにおけるサウンド・ミキシング技術の普及・発展を推進するアメリカの団体「CAS(シネマオーディオソサエティー)」に日本人として唯一加盟しているベテランメンバーもいるとか。スキルだけではなく、スタッフが常に高いモチベーションを持って仕事に取り組める環境作りにも注力し、クライアントが安心して仕事を任せられるようなクオリティーを提供している。

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