WEBサイト分析サービスを提供するAIベンチャー、WACULの“らしさ”を追求したオフィス

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株式会社WACUL
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アクセス解析のツールGoogle Analyticsのデータをもとに人工知能(AI)が自動でWEBサイトを分析するサービス「AIアナリスト」で注目を集める株式会社WACUL(読み方:ワカル)

Wacul(ワカル)

代表取締役 大津裕史さん

 

膨大な量のデータ分析からユーザーのメッセージを読み取り、顧客のWEBサイトの未来予測と改善提案につなげる同サービスは、2015年5月のリリース当初から順調に導入企業を増やし、現在は6,000サイト以上が登録。人員増加に伴い、今年9月にはオフィスを拡張移転した。

新しいオフィスは、多角的なビル形状から生まれる変化に富んだレイアウトに、コンクリートやガラス、オリジナルの木製家具などが調和し、先進感とぬくもりを備える空間となっている。「WEBに集まる何万人ものデータに人のエネルギーやあたたかみを感じる」と語る代表取締役の大津裕史さんに、開設から1週間を迎えた新社屋で、新しいオフィスのこだわりや働き方についてうかがった。

 

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新オフィスのエントランス

移転理由と新オフィスへのこだわり

 

自社およびサービスのブランド力を高める戦略のひとつとして行われたオフィス移転。“WACULらしさ”を表現しながら、情報セキュリティを高め、社員間コミュニケーションを促す。さまざまな要素がつまったオフィスのこだわりとは。

 

―移転理由、空間づくりで意識したことなどについてお聞かせください。

大津
移転理由は、事業拡大に伴って社員が増え、オフィスが狭くなってきたからです。最後は私の席がない状態でした(笑)。移転を検討する話自体は1年ほど前から出ていました。AIアナリストのサービスが拡大するなかで情報のセキュリティをオフィスレベルから考え直す必要が生まれたり、自社およびサービスのブランディングにも改めて向き合っていたので。

空間づくりでは、会社のブランドコンセプトのポイントが、親しみやすさや知的さ、先進性なので、そういった雰囲気をオフィス全体ににじませることをまず意識しました。また、ブランドに向き合ったこの1年のなかでロゴも見直したのですが、ロゴに使っているアイコンの三角形をデザイン化して空間に取り入れています。この会議室の覗き窓も三角(笑)。

ちなみに「WACUL」のロゴの「W」はデータの推移を、右上の緑の三角形はデータで着目すべき箇所を指し示すチェックマークという意味合いがあり、この三角がうちのアイコンにもなっているんです。

 

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―三角形のモチーフが随所に見られるエントランスは、ガラス越しに社員の方々が働く様子が見えて印象的です。

大津
設計をお願いしたデザインオフィスCANUCH(カヌチ)さんに我々の前のオフィスでの仕事風景を見てもらったとき、あちこちで活発な議論が起きているところがワカルらしさだと指摘されました。

データが安全に管理できるセキュリティを高めたオフィスづくりもポイントのひとつだったので、来客用の会議室と社員のオフィスの間にはセキュリティドアを設けてエリアをわけているのですが、完全に分断してしまうと冷たい感じになってしまうねと。そこでガラスを取り入れて、社内の雰囲気を見せてWACULらしさを伝えるという提案でした。情報がしっかり分けられたと同時に、インパクトやウェルカム感もだせましたし、先端技術を研究するラボのような雰囲気も生まれたと思います。

 

―活発な議論の発生を後押しするような空間の仕掛けや工夫などはありますか?

大津
たとえば、エントランスのガラス越しに見えるコラボレーションスペースはどの席にもパソコンをつなげて議論ができるようにコンセントが設けられ、ローテーブルなどは軽量のベニヤでつくられているためセッティングも簡単に変えられます。

コラボレーションスペースと執務スペースの中間にはアイランド型の収納が置かれていますが、腰高なので天板にパソコンや資料が広げられて軽い打ち合わせもできますし、奥の執務スペースの壁面にも立ち会議ができるようにホワイトーボードをつけました。

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新しいオフィスへの社員からの感想

 

移転前とメンバーはほぼ同じで、新オフィスにも自然となじんでいる様子だと語る大津さん。話は社員の感想から社風にも及んだ。

 

―新しいオフィスに対する社員からの感想は?

大津
面積が2倍以上にはなっているので、広いという感想は聞きます。WACULっぽい格好良さがあるオフィスとも言っていましたね。システム思考タイプが多い会社なので、シンプルに整理された落ち着ける空間を好む傾向が強い。

そのあたりにフィットした格好のつけ方ということなのかもしれません。ビルそのものが、コンクリート打ちっぱなしでも曲線的なラインをもっていたり、ユニークな空間構成をもつ面白いハコなので、過剰に飾り立てず持ち味をいかしたことも良かったのかなと。過剰に予算がないからシンプルになったのも事実なんですが(笑)。

 

―先ほど議論が活発な社風という話がありましたが、社員間コミュニケーションで心掛けていることはありますか?

大津
立場に関係なくフラットに話せる文化を心掛けています。また、できるだけ社内ミーティングは会議室ではなくコラボレーションスペースでしてほしいというメッセージは伝えています。他の人に聞かれずに話したいこともあるでしょうが、それは極力おさえて、誰が聞いても誰が参加しても問題ない話をしてもらいたいと。

ストレスのない環境づくりのためでもありますし、さまざまなことがオープンに議論されて誰もがそれに耳を傾けられる環境であれば、社員一人ひとりが自分ごと化できる物事の範囲も広がると思うからです。

 

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AI時代の働き方とは

 

データの分析と未来予測に基づく解決方針の提示はシステムが行うが、サービスパッケージには施策提案をするアドバイザーという人の存在が含まれている。仕事の機械化が進むなかで人の仕事、求められる役割とはどう変化するのか。働き方で重視すること、今後の展望などを聞いた。

 

―御社は最先端のAI技術をサービスとして実用化していますが、AI時代の働き方についてどんなイメージを持っていますか?

大津
機械に任せられる仕事を手放すことでストレスから解放され、より人間らしく働ける濃度が上がるとは思っています。あまり特別なことがおこるイメージはないんです。単純作業から人間が解放され、上位レイヤーの仕事内容に絞られていく世界は、メーカーさんなどですでに実践していたことではないかと。

これは持論ですが、人間に最後に残る仕事は結局、意思決定とあきらめないことだと思います。極論をいえばそれ以外はできるだけ機械に任せてしまってもいい。本当に無茶な状態に陥って機械が「手段ハアリマセン」と判断するような状況でも、あきらめない人間だと最後の最後にはなんとか糸口を見つけて解決してしまったりするんですよね。

そうした“あきらめない仕事”をするためには、自分達が属しているチームとの関わり合いやつながり、大切さを身近に感じないとダメですね。自分ひとりのためだけのあきらめない力より、皆のためのあきらめない力のほうが強いですから。機械の労働力が増えていくほど、同じ組織、同じ空間で働く人間と関わる度合いが強くなっていかなければ、人間としての仕事を果たせないと思っています。

 

―そうしたつながりを深める場としての役割をこのオフィスも負っていると。

大津
そうですね。今夜もこれからオフィスの引越し祝いのパーティがありますが、社員同士が一緒に時間を過ごしたいという自発的な思いはできるだけ承認しています。仕事を終えた数人がコラボレーションルームのプロジェクターで映画鑑賞していることもありますが、皆と一緒にいたいという思いからオフィスで過ごしているのであれば、帰属意識にもつながるし、どんどんしてほしいですね。

 

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移転パーティの集合写真

 

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移転パーティはWACUL特製ケーキでお祝い

 

―AIアナリストのサービスには、施策提案などをするアドバイザーという人の存在がありますね。

大津
機械が方針出ししたことをそのまま実行できる文化はまだ育っていないので、アドバイザーはそこを補完して新しい文化をつくる役割を担っています。と同時に、お客様の達成目標に我々が親身に向き合っているという印象は結局アドバイザーがいることによって強められているので、うちのサービスや会社の信頼を支える柱でもあります。

アドバイザーの存在によってお客様とのつながりはより強まる。アドバイザーの余計な負担を減らすために作業工程のシステム化や効率化は進めていくにしても、機械との向き合いを人が寄り添って正していくという我々の考え方は最後まで残ると思うので、アドバイザーの存在自体は消えないと思います。

 

―最後に今後の事業展開と、どんな人と一緒に働きたいかについてお聞かせください。

大津
サービスをさらに広めることをベースに置きつつ、重要なことはAIアナリストの脳みそのレベルアップだと考えています。培ったデータやノウハウをもとによりいっそう高度な分析や精度の高いアルゴリズムをつくることを目的としているので、これからの1年はレベルアップに取り組む比重も高まると思います。

人材では、何事もシステム化したいと考える人が好きですね。週5日働かなければこなせなかった仕事を1日働けばクリアできるようにすることを目指す人なら我々の仕事に共感してもらえると思います。人としてやらなければならない判断や意思決定にあきらめない気持ちをもって向き合う人も大歓迎ですね。

 

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★★福利厚生:ここがWACULらしさ

①ビジョン共有合宿
半年に1回、1泊2日社員全員で行う。システム制作など設定した目標を合宿中にクリアすることを目指すタイプの合宿と、経営陣と社員間でビジョンや方向性をすり合わせる合宿の2種類があるが、今後は後者が中心となる予定。

②oiwai(おいわい)
何か目出度いことがあったとき皆で祝う仕組み。たとえば営業契約成約時など、担当者のイメージビデオが音楽にのってディスプレイに流れる。ビデオは社内のブランディングセクションが各社員のものを作成。「仲間の喜びを自分ごと化するちょっとしたトリガーになればと導入しました」と大津さん。誕生日はoiwaiに加え、食器類など自社ノベルティグッズも配られる。

このほかコアフレックスタイム、有給休暇取得率100%目標などで働きやすい環境をバックアップしている。

 

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嬉しい出来事があれば社員全員でお祝いする【oiwaiシステム】

 

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誕生日に配られる会社ノベルティ

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